事例:全国展開するアパレルブランドのインバウンドプロモーション
1. クライアント概要
- 業界: アパレル(実店舗・EC)
- 規模: 日本国内および海外にも展開するアパレルブランド
- 状況: これまで自社でインバウンド集客施策を実施していたものの、効果が実感できず、場当たり的な施策が続いていた
- ニーズ: どの国に、どのような手法で、どれくらいの予算を投下すればよいか知見がなく、戦略的なインバウンド集客の仕組みを構築したい
2. 課題整理|インバウンド施策が成果に繋がらなかった原因
- 集客戦略の未確立:場当たり的な施策が繰り返され、一貫性のある戦略が存在しない
- 効果測定の困難さ:オンラインでの情報接触からオフラインでの来店・購買までの行動が分断され、どの施策が売上に貢献しているか不明
- 費用対効果(ROI)の不透明性:費用対効果が見えず、無駄なコストに発生するリスク
→ インバウンド集客を戦略的かつ体系的に実施できるノウハウと基盤の構築が必要だった
3. 打ち手
3-1. カスタマージャーニーに沿った多層的プロモーション
「日本旅行の定番となるブランドポジションの確立」をゴールに 、訪日旅行者を「旅マエ」と「旅ナカ」の各フェーズで捉え、多角的なプロモーションを展開。
- 旅マエ(来日前):情報接触から来日決定まで
・SNS広告、インフルエンサー起用
・現地メディア露出
・クーポン配布 - 旅ナカ(来日中):来日中の効果的な接点設計
・空港広告
・交通拠点でのサンプリング
・LCC機内での広告
3-2. 段階的な市場拡大と成果最大化の手法
- 台湾・香港市場(初期・仮説検証フェーズ)
・インセンティブとタッチポイントの最適化
[Point]ノベルティグッズよりもクーポンに軍配 - 韓国市場(中期フェーズ)
・初期成功モデルを応用し市場拡大
[Point]NAVERブロガー起用でUGC創出、自然拡散を促進 - 中国・東南アジア・アメリカ市場(拡大フェーズ)
・成功モデルを横展開、各国で最適化
[Point]電鉄サンプリングなど旅ナカ接点の最大化
4. 成果|ROAS最大化で明確化した施策の有効性
段階的プロモーションの結果、2年目には年間平均でROAS 600%を達成。
特に効果の高かった旅ナカ施策ではROAS 1900%を記録しました。
特に、高いブランド認知度を前提に、旅ナカでの広告やサンプリング施策を組み合わせることで、大きな相乗効果を生み出せることが証明できました 。
5. 今後の展望|データ主導でブランド価値を強化するインバウンド戦略
- クーポン施策に依存せず、ブランド価値の訴求を強化
- データ主導でリーチ数・PV数から売上を試算できる仕組みを構築
- 成功事例を基に、さらなるグローバル展開を視野に入れた戦略を推進